ゴルフスイング
Nick Jagger
こびりついた“手打ち”のクセ、テークバックから気を付けてみよう
ゴルフスイングの基本は、体の回転で行うボディターンです。
一番いけないスイングが体の回転を使わず、手だけでボールを打つ手打ちです。
これはほとんどのゴルファーがわかっていることですが、それでもアマチュアゴルファーの8割以上が手打ちであると言われています。
つまり、ほとんどのゴルファーが手打ちでスイングしているという自覚症状がないのです。
特に力のある男性ゴルファーほど、手打ちであることが多いのです。
なぜなら、力があれば、手打ちでもそこそこ飛距離が出てしまうからです。
バランスの取れたフィニッシュならOK
自分が手打ちをしているかどうかは、自分のフィニッシュを思い浮かべれば一目瞭然です。
いつもバランスのいいフィニッシュが取れていればOKですが、毎回よろけたり、右肩が突っ込んだり、バランスを崩してしまう人は、はっきり言って手打ちです。
フィニッシュでよろけるのは、下半身が止まって、上半身、特に腕ばかり動かそうとしているからです。
つまり、手打ちということです。
スロースイングをしてみましょう
手打ちかどうかチェックする方法がもう1つあります。
至って単純ですが、通常の5倍くらい(約10秒)の時間をかけたスロースイングでボールを打つのです。
実際にやってみればわかるように、手打ちのゴルファーはダウンスイングからインパクトにかけて、どうしてもスイングが速くなってしまうはずです。
普段から十分に体を回さず、両腕を早く振り下ろすことでボールを打っている人は、スロースイングができないのです。
現役時代の宮里藍は約1分かけて1スイングという練習をしていたくらいです。
逆に言えば、スロースイングでもしっかりボールをつかまえて打てるようになれば、それは手打ちではなく、ボディターンで打つことができたという証拠です。
体の回転と腕が同調する感覚とはどういうことかというスイングの本質が実感できるはずです。
手や腕に仕事をさせず、バックスイングをする
正しいバックスイングは、クラブを持たずに両腕を完全に脱力して下ろしてアドレスの姿勢を作ったら、背骨を軸に肩を回していくとよくわかります。
手や腕に仕事をさせなければ、両手は30~40センチは飛球線に沿って真っすぐ右に移動するはずです。
これが本来のバックスイングにおけるグリップの軌道になるわけですが、インサイドやアウトサイドに引く人は、テークバックを始動した時点で手首をこねてインに引いたり、あるいはインに引くことを嫌がってアウトに持ち上げようとしているのです。
つまり、手や腕に余計な仕事をさせていて、これも手打ちの原因というわけです。
テークバックの初期、コックを入れる前までは、グリップが体の正面に常にある状態を意識すると、このような手を使ったバックスイングを防ぐことができるでしょう。