ゴルフスイング
Kenjiiii
ゴルフは寄せると楽になる!本番で使えるアプローチ、その種類と練習法は?
ゴルフの花形と言えば、“ドライバー”と答える人は多いですよね。
ホールの1打目、真っすぐ狙ったところにボールを飛ばしていくのは、たしかに気持ちよく、爽快なものです。
けれど、ゴルフで本当に重要なものは、アプローチです。
パーオン(※)をしなくても、アプローチで打ったボールがピンにピタッと寄れば、パーも取れます。
※パーの数より2打引いた打数でグリーンに乗ること。パー3なら1打、パー4なら2打、パー5なら3打でグリーンに乗ること
ここでは、本番で使えるアプローチの、種類と練習方法をご紹介します!
目次
アプローチとは?
アプローチとは、グリーン周りに止まったボールを、グリーンに乗せるために打つ短い距離のショットのことです。「寄せ」とも言います。
何ヤード以内のショットのことをアプローチショットと呼ぶ、という明確な定義はありませんが、およそ60ヤード以下の距離のショットを指すことが多いようです。
残りの距離にもよりますが、アプローチではフルショットをすることは少なく、主に短いゴルフクラブを用い、肩から肩、腰から腰など、コントロールショットをして、距離を打ち分ける必要があります。
中途半端な距離のショットを苦手としているゴルファーも多く、せっかく2打目で残り50ヤードのところまで来ていても、そこからミスを繰り返し、大叩きにつながってしまうということもあります。
「アプローチを制するものはゴルフを制す」という言葉もあるように、アプローチの精度を磨くことで、パット数も減り、スコアアップが可能となります。
アプローチの種類
アプローチには、打ち方の種類があります。
それぞれの特徴を理解し、場面に応じて使いこなすことで、ボールをよりピンに近づけることができていくことでしょう。
チップショット
「チップショット」とは、アプローチでイメージされることの多い、ボールをふわっと浮かせてグリーンに落とすアプローチではなく、いわゆる“転がし”のアプローチです。
ボールとグリーン上の落とし場所の間にバンカーや池などの障害物がない場合、このチップショットを使うことで、ミスになりにくく、距離感をつかめば上手く寄せていくことができます。
アプローチのミスは、ボールにヒットする前に手前の地面を叩いてしまう“ザックリ”や、ボールの上部を叩いてしまう“トップ”がありますが、チップショットはパターと同じような感覚でショットができるのが特徴です。
砲台グリーンには使いづらいと思っている人もいますが、砲台グリーンでもチップショットを多用することは可能。
どのルートをどのように転がしていくか、イメージをして、見極めていくことが重要です。
ピッチショット
ピッチショットとは、チップショットとは逆に、クラブのロフトを使ってボールを高く上げて、グリーンに落ちたあと、カップに向かって少し転がるアプローチのことです。
ボールとカップの間にバンカーや池などの障害物がある場合に有効な方法で、30ヤードや40ヤード前後の距離から高い確率でワンピン以内に寄せることができるようになるため、大きな武器になります。
ピッチショットは、少し転がることを計算し、正確な距離感を身に付けることがスコアメイクの鍵。
基本的には、クラブのロフト通りにボールを上げるためクラブ選択が重要ですが、場合によってはフェースをさらに開いて高さを出す方法もあります。
ロブショット
ピッチショットもボールを上げるアプローチですが、ロブショットはさらにボールをふわっと高く打ち上げるアプローチのことです。
通常のアプローチショットよりもフェースを開き、左側にボールを置いたら、ハンドレイト(アドレスを取った時にボールよりも手元が後ろ側にあること)に構え、フェースターンをせずに打ちます。
上級者向けの難しいショットと思っている人もありますが、実はそれほど難易度は高くありません。特にラフなどで芝の上にボールが浮いている場合は打ちやすいです。
障害物を越えてすぐの場所にピンが切られている場合などに使うと良いでしょう。
ロブショットのイメージが湧かないという人は、だるま落としを想像してみてください。
ボールの下をくぐらせるように打つことで、距離のないふわっとしたボールを打つことができますよ。
ピッチ&ラン
ピッチ&ランとは、ボールを浮かせてグリーンに落とし、そこからラン(転がり)を利用して距離を合わせるアプローチです。
アプローチの基本とも言える打ち方で、非常に利用しやすく、8割の状況に対処ができると言われています。
浮かせる距離とランの距離は、使うクラブによって変わりますので、自分の使用するクラブでの比率はどれくらいかをあらかじめ把握しておきましょう。
傾斜によって多少変わってきますが、目安を作っておくことで、安心して落とし所を設定し、決めた距離を振り抜くことができます。
ピッチ&ランに慣れてきたら、状況によって複数のクラブを使い分けることで、多彩なアプローチができるようになりますよ。
転がすアプローチは効果的
アプローチの種類を4つご紹介しましたが、ミスを防ぐためには、転がせる状況であれば転がすことを選択すると良いでしょう。
特に100切りを目指している初心者の方は、障害物がない状況であれば、すべて転がしを選択することが、寄せを成功させるコツとも言えます。
また、ピッチショットやロブショットなど、浮かせてから止めるアプローチは、そのままカップに入るという確率は低いですが、チップショットやピッチ&ランであれば、落としてから転がったボールがラインに乗ってそのままカップインするということも十分あり得ます。
そうでなくても転がしのアプローチは寄せやすいため、パット数を減らせる可能性が高くなります。
上級者やプロゴルファーの中でも、転がしを多用して良いスコアを出している人も多いため、いままで浮かすアプローチをしていた人は、アプローチは浮かすから、転がすという方法に変えていくのも良いでしょう。
アプローチの考え方
アプローチに限らず、ゴルフでは「絶対こうしてやる」という考え方を持つと、身体が硬くなり、ミスショットの原因となります。
ゴルフはメンタルマネジメントが大事と言われるスポーツで、考え方によって結果が左右されやすいです。
アプローチにおける考え方は、「絶対に寄せてやる」と思わないこと。
打つ前に、落とし所を決め、ボールが転がるイメージを作ることはとても重要ですが、実際に打つ時には、それらは一度すべて捨て、「グリーンに乗ればラッキー」くらいに考えると良いでしょう。
もし身体が硬くなってしまい、ダフったりトップしてしまうと、またアプローチを打つことになってしまいます。
とりあえずグリーンにボールを乗せておけば、パターを使用することができるため、アプローチでボールをピンに寄せるよりも楽に次のストロークをすることができます。
アプローチに使用するクラブ
アプローチに使用するクラブは、多くはウェッジです。
ウェッジの中でも、ピッチングウェッジ(PW)やアプローチウェッジ(AW)、サンドウェッジ(SW)と、複数のロフト角のクラブを入れているという人も多いでしょう。
サンドウェッジと聞くと、バンカーのみで使用するクラブと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。サンドウェッジは、54度〜60度前後とロフト角が大きいため、浮かせて落とす、短い距離のアプローチに利用できます。
アプローチウェッジは、サンドウェッジに比べてロフト角が小さく、47度〜53度程度です。
これにより、サンドウェッジよりもショットをした時の弾道が比較的低く出て、落ちたあとはたくさん転がります。
また、グリーン周りでハザードがないアプローチの場合、さらにロフト角が小さいピッチングウェッジや9番アイアンなどで、パターのようにボールを転がすことも効果的。
場面場面でクラブの使い分けを身に付けていきましょう。
アプローチの基本の打ち方
それでは、アプローチの基本的な打ち方を見ていきましょう。
浮かせるのか、転がすのか、どのようなアプローチを打つにしても、基本を身に付けておくことで、あとは少しの応用をしていくだけ。
初心者の方だけでなく、ベテランの方でアプローチが苦手という方も、再度基本の復習をすることで、得意に変えていけるかもしれません。
1.クラブを短く持って右足の前で構える
アプローチは、ボールのコントロールが重要です。
それには、クラブを短く持つことが鉄則。
短く持つことに違和感があるという人も、まずは通常のグリップ位置から、指2本分程度、短くすることで慣らしていきましょう。
ボールは、右足の前に置きます。
これに対しても違和感のある人もいると思いますが、真ん中や左寄りにボールを置いてしまうと、ボールが上がってしまい、上手く転がすことができなくなるということがその理由です。
ただし、一概にボールを右足前に置けば良いというわけではなく、ボールのあるライによって、左足上がりであれば左寄り、右足上がりであればもう少し右へ置くなど、状況によって変化をつけていきましょう。
このようなアドレスを取ることで、ハンドファースト(ボールよりも手元が飛球線上に出ること)になりますが、これは自然な形です。
2.フェース面は目標方向へ
アドレスを取った時点で、グリーンのどのあたりにボールを落とそうか、目標位置を決めていることと思います。
アプローチで目標方向へボールを飛ばすには、フェースの面が重要。
ウェッジは、リーディングエッジ(フェース面とソール前方の境界線部分)に、ラインが引いてあります。
目標位置からボールまでの真っすぐなラインをイメージしたら、このラインに対して、リーディングエッジが直角になるように構えましょう。
こうすることで、ボールはこのラインに沿って飛んでいきます。
また、フルショットのスイングをする時のアドレスで左右均等に配分する体重は、アプローチをする時は左足に7割の体重を乗せてください。
フルショットのように、飛距離を出す必要がないため大きく体重移動をする必要がありません。
左足体重のままテークバックし、左足体重のまま、インパクトからフォロースルーまでスイング。
こうすることで、自然と上から下へクラブヘッドを動かすことができる上、すくい打ちをしづらくなります。
3.一定のリズムで真っすぐ引いて真っすぐ打つ
こちらもアプローチに限ったことではありませんが、リズムはゴルフをする上でとても重要です。
テークバック、またはダウンスイングで、急加速または急減速をするゴルファーもときどき見受けられますが、これは、ザックリやトップなどのミスにつながりやすい危険行為。
基本的には、一定のリズムで真っすぐ引いて、真っすぐ打つことが良いショットを生み出します。
アプローチにおいても、これは同じです。
アドレスから1、トップまでで2、インパクトまでで3、と、同じリズムでアプローチをしてみてください。
とても自然な流れで、手にこわばりを感じることなく、ボールを打つことができないでしょうか?
アプローチを打つ前に、同じようなライで、1・2・3のリズムで素振りを繰り替えし、イメージができたところでボールを打っていきましょう。
良いアプローチができると思います。
4.手首は使わない
アプローチの場面で手首を使ってしまうと、フェースの向きが狂ってしまう原因となりかねません。
アプローチの時には、手首は使わず、身体の回転だけを使い、ボールを打つように意識しましょう。
また、手首を使わないからと、ガチガチに固めてしまうこともNG。
手首は力を抜き柔らかさを保てるように意識してください。手首が柔らかければ、身体を切り返した反動で、クラブヘッドが手元よりも一瞬遅れる感覚がわかるはずです。
そのままボールをインパクトすれば、自然とアドレス時のハンドファーストでインパクトを迎えることになり、しっかりと芯をとらえてボールを打つことができるようになります。
アプローチの練習方法
アプローチは、本番でいきなり打ってみようとしても、なかなか上手くいきません。
フルショットはトップの位置を決めていると思いますが、アプローチはそれらを調整するコントロールショットのため、リズムや振り幅などを一定にする練習が必要です。
また、通常よりも短く持っていることで、手打ちになりがちで、ダフったりトップしてしまうことも。
30ヤード〜50ヤードほどを地道に練習することで、的確なアプローチが生まれます。
ゴルフ練習場でできる練習方法
ゴルフ練習場には、敷地面積により、20ヤードから最大まで、飛距離をわかりやすくするため、ヤード表示がされています。
マットの上にボールをセットし、20ヤードであれば20ヤード、30ヤードであれば30ヤード、決めた距離にボールがいくよう、しっかりと練習しましょう。
これは、距離感を身体に覚えさせることが目的。
30ヤードの練習をしておいて、本番で60ヤードであれば、振り幅を倍にするなどで、目指す距離を打つことが可能になります。
また、アプローチの基本は真っすぐ引いて、真っすぐ打つこと。
テークバックでインサイドやアウトサイドにヘッドを持っていってしまうと、インパクトでズレが生じます。
ヘッドの通り道以外の場所に障害物を置くなどすると、真っすぐに引く感覚が身に付きやすくなります。
自宅での練習方法
アプローチの練習は、練習場だけでなく、自宅でも可能です。
まず、トップやザックリの出やすい、芝の薄いライを見立てて、普通のパターマットを用意します。長さは一般的な2メートルちょっとのもので十分です。
アプローチは、ボールをクリーンに打たなければなりません。
ミスがミスとしてはっきりとわかる状況で練習することで、より効果を上げられますし、メンタル的にも自信につながります。
練習場では20ヤード、30ヤードの距離を練習していた人も、自宅では、5ヤード以内のとても短いキャリーを打つつもりで練習します。
普段、5ヤード以内のアプローチ練習などしないという人のほうが多いと思いますが、ラウンドで使うアプローチは、実はキャリーで5ヤード以内を打つという状況がとても多いのです。
グリーンのすぐ側なのに、ライや芝目の状況により、パターは使えないということ、よくありますよね。失敗が多いのも得てしてそのような状況ではないでしょうか。
ゴルフ練習場や自宅での練習を繰り返し行うことで、正確なアプローチが身に付くでしょう。
アプローチをモノにして、スコアアップを目指しましょう。