ゴルフスイング
レッスンプロ・クラフトマン 河野
スイングが早くミスしてしまいがちな人におすすめの練習方法
こんにちは。
レッスンプロ・クラフトマンの河野です。
今回は、スイングの早いkt様のお話です。
調子が良いはずなのに
先日のラウンドレッスンでのお話です。
飛ばし屋のkt様から、最近調子が良いのでぜひラウンドレッスンをお願いしますと、ご依頼を受けました。
しかし、kt様はラウンド早々にドライバーでOBを打ってしまいました。
次のホールでは、ドライバーでチョロです。
kt様は若くて力があり、飛ばし屋です。
しかし、飛ばそうとしてスイングが早くなるのと、体が動き過ぎるのが欠点です。
皆さん、飛ばそうとすると、肩を大きく回したり、体重移動をさせようとするためにミート率が悪くなってしまいます。
私のラウンドレッスンでは動画を撮りますので、kt様に今撮った動画をお見せしながら「スイングが早く、体が動き過ぎていますよ」と解説しました。
kt様「確かに、力んでいるし早いですね」
流れを変えるために
ラウンド中なので、余り極端なアドバイスはできませんので、kt様には「トップまでもう少しゆっくり上げて、ダウンスイングでは頭を残してください」とお願いしました。
セカンドショットにユーティリティーを持ちましたが、これもダフリです。
こうなると、誰でも頭が真っ白になり冷静な判断はできません。
私「kt様は、今一番安心して打てるクラブは何ですか?」
kt様「7番アイアンなら打てると思います」
私「まだ残りが200ヤード近くありますが、立ち直るためには良いショットを打って、悪い流れを断ち切る必要がありますので、7番アイアンで無理をせず打ってください」
kt様の7番アイアンでのサードショットはまずまずの当たりで、ピンまで40ヤードくらいでした。
その40ヤードをPS(ピッチングサンド。アプローチウェッジ)で打ち上手くワンピンに寄せ、ワンパットで入れてナイスボギーでした。
次のティーショットでのアドバイスは、「10ヤード飛距離を落とすつもりで、その分頭を残すことに集中してください」とアドバイスをさせていただきました。
これが、良い当たりでした。
これで、良いショットが4回連続したことになります。
そこで、ゲームの流れが変わった感じがしました。
調子が良くなるまで無理は禁物です
しかし、「まだ無理をしてはいけませんよ」とkt様に伝えました。
そこからは、いつものペースに戻り80台後半でラウンドを終了しました。
kt様の課題は、スイングが早いことです。
そのため、トップまでをもう少しゆっくりできるようにする練習方法をお教えしました。
スイングを一連の動作として行うと、トップの形を安定させることは簡単にはできません。
しかし、スイングを二つのパーツに分ければ、トップの形を割合簡単に変えることができます。
方法は、「トップまで」と「トップから」に分けて練習をするというものです。
●トップまでは、アドレスからご自分の理想とするトップまでを作り2秒止めます(トップでの筋肉の張りを感じてください)。
これを、鏡があれば鏡を見ながら、理想とするトップを作る練習をします。
理想のトップとは、いつも同じ形になりクラブヘッドをコントロールしながら速く振り切ることのできる形です。
出前持ちスタイルのトップ
私の考える理想のトップは、昔から言われている、脇の閉まった“出前持ちスタイル”です。
脇の開いた、高く手を上げるトップは不安定でいつも同じという訳にはいきません。
脇の開いた高いトップは、オーバースイングやシャフトクロスを引き起こすことになります。
今年ブレークした渋野日向子プロは、2016年のプロテストに落ちました。
その時はオーバースイングでした。
ブレークした今年は、女子プロの中でも1、2を争うくらい脇の閉まったコンパクトなトップです。
一発だけ当たれば良いと思うなら高いトップも良いでしょうが、ゴルフというゲームを考えた場合、トップが不安定では、思ったようにボールコントロールができません。
この練習は、繰り返し同じトップの形を作り、筋肉と頭にトップを作るまでの動きを記憶させるためです。
この練習はどこでもできますので、気が向いた時に何度も何度も繰り返します(トップを作るだけの練習ですから)。
渋野日向子プロのトップはコンパクト
●トップまでの練習を2日から3日練習をしたら、次にトップからの練習をします。
繰り返し練習した、ご自分の理想とするトップを作り、そのトップの形のまま2秒止めます。
2秒止めたら、反動なしでボールを打ちます。
初めのうちは、ボールに上手く当たらないかも知れませんので、ティーアップしてボールを打ってください。
慣れないうちは強く打てませんので、スナップを使い右腕(右利きの場合)を首に巻き付けるようにフィニッシュまで振り切る練習もしてください。
松山英樹プロのアイアンショットが安定しているのは、トップまでをユックリと上げて、トップで一瞬止まるような、いつも同じトップの形を作れ、ダウンスイングとインパクトが安定した同じ形になるからです。
上記のようにkt様に解説しました。
kt様が理想と思うトップで2秒完全に止めて、止めたトップからボールを打つというドリルをしてくださいと宿題を出させていただきました。
理想のトップでいったん動きを止めて、そこから打つのですからスイングもきれいになります。
それに、トップまでの動きを急がなくても良いと理解できますので、スイングにも余裕ができます。
レッスンプロ・クラフトマンの河野でした。