プロゴルファー
こせきよういち
主要ツアーの年内最終戦に注目~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#194
今週は主要ツアーでは年内最後のトーナメント=「DPワールド・ツアー選手権」が中東、UAEのドバイ(ジュメイラ・ゴルフエステート、7675ヤード・パー72)で開催されます。
欧州ツアーの年間王者=「レース・トゥ・ドバイ」のチャンピオンを決めるツアー最終戦で、大会にはツアーのポイントランキング上位60人のほか、世界ランキング上位の欧州ツアーメンバー、計65人が出場します。
その中には、日本の「旅人ゴルファー」こと、川村昌弘もランキング38位のポジションで初出場。優勝すれば、上位選手の成績によりますが、計算上はランキングでトップに立ち、年間王者になる可能性があります。
そんなことになれば欣喜雀躍(きんきじゃくやく)の大喜びですが、大会には他にも注目ポイントがあります。
見どころを整理してみましょう。
ヨーロッパの年間チャンピオンに輝くのは?
今季欧州ツアーのポイントランキングの現順位は、
1位:パトリック・リード
2位:トミー・フリートウッド
3位:コリン・モリカワ
4位:リー・ウェストウッド
5位:クリスティアン・ベゾイデンハウト
となっています。
うち、4位までの選手は、勝てば他の選手の順位に関係なく、無条件で年間王者のタイトルをゲットです。
また、5位以下、8位のティレル・ハットンまでの選手が優勝した場合は、1位のリードが2位タイ以下(単独2位以上の場合はリードが年間王者)の成績であれば、逆転で年間チャンピオンに輝きます。
この中では、ベゾイデンハウトがこの大会直前、南アフリカで開催された欧州ツアー競技で2週連続優勝(ただし、有力欧州選手は多くが欠場)。世界ランキングも35位にまでアップしています。
優勝争いとともに、熾烈な「レース・トゥ・ドバイ」タイトル争いに注目です。
来年のマスターズ出場権をめぐる争い
Top 50 end-of-year projection (before #DPWTC)
— Nosferatu (@VC606) December 6, 2020
Green - already qualified for @TheMasters
Grey - cannot reach top 50 before end-of-year pic.twitter.com/XnXvXL82Vq
もうひとつ、来年のマスターズの出場権が得られる世界ランキング50位をめぐる争いも注目です。
上掲は、世界ゴルフランキングのオーソリティ「Nosferatu」のツイート。シェアされているリストは、大会前の時点で算出された今年末の世界ランキングです。
白枠は、マスターズの出場権を持たない、今大会の出場選手(緑枠はすでに出場権を獲得済み。灰色枠は出場権を持たない、今大会不参加の選手)。
彼らがみんな世界ランキングポイントを獲得できなければ、今年末のランキングはこの順位になるということ。
つまり、ウェストウッド、イアン・ポールター、マット・ウォレスがオーガスタナショナル行きのチケットを獲得することになります。
でも、すぐ後ろ、50位台にはエリック・ヴァン・ローエンとロバート・マッキンタイアが控えています。
また、64位のアンディ・サリバンは先週、同じジュメイラ・ゴルフエステートの別コースで開催された欧州ツアー競技「ゴルフ in ドバイ選手権」で、初日に59をマーク。結果、大会を2位で終えたばかりの好調なプレーヤー。
波乱=逆転劇があるかもしれません。
今季ツアー初優勝を遂げた若手=マッキンタイア
マスターズ出場権をめぐる争いで個人的に注目しているひとりがマッキンタイア。まだ24歳の若いレフティです。
彼は今年11月、キプロスで開催された欧州ツアー競技で川村昌弘を1打かわして、ツアー初優勝を遂げたばかり。伸び盛りと言っていいでしょう。
彼の名前に初めて触れたのは、ツアールーキーだった昨年の全英オープンです。
第2ラウンド。同じ組でプレーするカイル・スタンレーがショットを大きく曲げ、大勢のギャラリーの中に打ち込んだにもかかわらず、(ショット後すぐに)注意を促す「Fore!」の声を挙げなかったことに激怒。
10歳ほど年上のアメリカ人選手=スタンレーにマジ切れし、直接面と向かって注意。それに対し、スタンレーが反省の素振りを見せず、ただ不快な顔をしたことで、さらに怒り心頭。
ラウンド後に、メディアに不満をぶちまけるということがありました。
その“熱い”姿勢を買って、個人的に注目です。
いろいろありますが、今年最後のツアートーナメントの熱戦に期待しましょう。