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競技ゴルフのススメ 第10話 特殊なショットも練習しよう

今回も第9話までの続きです。

競技ゴルフがルール遵守で「ノータッチ完全ホールアウト」であるが故に遭遇してしまう「普通に打つことができない状況」と、「そんな状況から脱するための特殊な打ち方」の例をいくつかご紹介します。

第7話で「ガードバンカーで目玉の状態になり、特殊な打ち方を使って脱出した」というお話をしていました。

今回はその他の厳しい状況について書きます。

自然物にくっついている時

「樹木などの動かせない自然物のそばにボールが止まっていて、右打ちで普通に打つことができない」という状況もありえます。

プライベートなラウンドなどでもよく遭遇すると思いますが、無罰でボールを動かしてしまう人も多いでしょう。

競技ゴルフでは、クラブを振れない状況であっても、「何とかクラブでボールを打って、ボールを普通に打てる場所へと進める」か「アンプレアブル宣言してボールをピックアップ・ドロップする」かしかありません。

ボールが自然物にくっついて普通に打てないという場面での特殊な打ち方は、以下のような方法が挙げられます。

それぞれの打ち方の詳細については、書籍やインターネットなどで調べてみてください。

・右打ち用クラブでフェース面で球を打つ左打ち
・右打ち用クラブでバックフェース面で球を打つ左打ち
・背面で右手による片手打ち

フェアウェイ横の深いラフの時

グリーンからまだ遠く離れていてできるだけ飛ばしたい所ではあるが、ボールが深いラフにすっぽり入っていてしまい、ロングアイアンなどの長いクラブで普通に打つのはとても難しそうな状況も、よくあると思います。

6インチリプレース有りのプライベートラウンドであれば、ボールをヒョイと浮かせて、フェアウェイウッドなどで普通に打てるでしょう。

競技ゴルフではそういう訳にはいきません。この状況では「ショートアイアンやウェッジなどのロフトが寝た短いクラブを使って、近くのフェアウェイへ戻すように打つ」のがセオリーです。

ところが、「おーい!とんぼ(川崎のぼる作・ゴルフダイジェスト社刊)」というマンガの第1巻、155~161ページに「ゴンじいの舟打法」というネーミングの「ロングアイアンを使った非常に特殊な打ち方」が紹介されています。

目標方向に背中を向けるくらいの超クローズスタンスに、フェースを思いっきり閉じて、深いラフの抵抗に負けないようにクラブヘッドのトウ側からボールに当てて低弾道フックを打つ方法です。

良く分からない人はマンガをぜひ読んでみてください。

筆者は遊びのラウンドの時に、トライしてみました。

意外と簡単に上手く打てて、ラフから脱出しただけでなく、飛距離を稼ぐことができました。

グリーン周りで芝が薄い時

ベアグラウンドや薄芝というライは、フルショットの時でも嫌なものですが、グリーン周りでのアプローチショットの時には、一番困ってしまうライではないでしょうか?

ウェッジで普通に打とうとすると、ダフリ、トップの両方のミスが出る可能性が高いです。

そして、クリーンに当てたいがためにボールを右足寄りにしたアドレスをすると、シャンクというミスまで出てしまいます。

こんな状況では「パターで転がすのが一番」だとよく言われます。

使用クラブはパターではなくフェアウェイウッドやユーティリティ、ロングアイアンでも構わないでしょう。

パターと同じように打って同じように転がします。

転がして寄せるアプローチでは、「グリーンまでのやや傾斜した薄芝を転がっていくスピード感」をつかむのが難しいです。

ただし、スピード感がつかめてきて、距離感が合ってくると、「ミスが出にくい・寄せやすい・チップインもある」と三拍子揃った最高のアプローチショットになります。

事前にたっぷり練習しましょう

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「練習していない事は競技ではやらない」というのも、競技ゴルフにおける大事な鉄則です。

だったら「事前にしっかり練習」をしておけば良いのです。競技会に参加し続ければ、こうした普通に打てない状況に、いつか必ず遭遇します。

今回ご紹介した打ち方は、いずれもかなり特殊な打ち方ばかりですが、打ち方を覚えて、事前に練習場などでしっかり練習していれば大丈夫です。

緊張する競技会のラウンド中であっても、意外と上手く打てるものです。

おわりに

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競技ゴルフというものは、実はやっぱり「別世界」なのかもしれません。

今回ご紹介したような「特殊な状況で使う特殊な打ち方」などという「普通のゴルフでは必要とはされないショット」も追加で必要になるのです。

「競技ゴルフは別世界」だとしても、「追加で必要となる事」というのは、「ゴルフの腕前が上手くて普段のスコアが良い」かどうかとは、ほとんど「無関係」な事がほとんどなのです。

今回ご紹介したお話も「知っているか? 知らないか?」「練習場で試したか? 試していないか?」というだけの違いでしかありません。

これはベストスコアで100を切ったことがない人にだって、できる事でしょう。

面白いことに、こうした特殊な打ち方を練習してそれなりに打てるようになると、何だかとても楽しい気持ちになります。

それと同時に、ゴルフクラブとショット(フェースとボールの当たり方の違いによる出球の変化)に関する経験・知識が豊富になっていきます。

ゴルフの知識が深まっていけば、「さらに別の自分が知らないゴルフの世界へ挑戦しよう!」という気概が芽生えてきます。

そうすれば、自分のゴルフライフがどんどん広がっていきます。