ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『テーラーメイド M5 ドライバー』
今回の貧打爆裂レポートは、2019年2月15日発売の『テーラーメイド M5』です。
『M5』ドライバーをコースに持ち込んで打ち込んできました。業界を常にリードするドライバーの性能に注目しつつ、動画も含めてレポートします。
M5が見せる未来を体験せよ!
『テーラーメイド M5』ドライバーの最大の注目ポイントはフェースです。
『M3』と『M4』で採用された“ツイストフェース”はさらに進化をして、より曲がりを抑えるようになったそうですが、それよりも注目すべき新機能が“スピードインジェクション”です。
ルール違反になる反発係数でヘッドを製作し、フェースの裏の二つのポートからレジン樹脂を注入することで適合になる反発係数に戻すという逆転の発想で、ギリギリの反発係数のドライバーを手にすることができるというわけです。
『M5』ドライバーといえば、重心調整機能です。
『M3』の“Yトラック”が進化して“リバースTトラック”になりました。トウ、ヒールの横方向に移動範囲が広がりました。
見た目としても、構えたときに見えるフォルムの良さは健在です。フェース寄りの金属部分はさらに細くなりました。
テーラーメイドのドライバーが、多くのトッププロに愛されるのは、こういう部分のチューニングが巧みで、妥協しないからです。
実際に打ってみると、最初に感じるのは初速がアップしているという感覚です。スッという軽い感じでぶっ飛んでいきます。
構えたときに、狙い通りに行きそうだという安心感も好感触でした。
『M5』はゴルファーに新しいゴルフを教えてくれる感じがしました。
史上最高のやさしさと飛距離性能
動画を見てください。
『M5』ドライバーで個人的に最も感心したのは、打音です。本当にちょうど良いのです。音の高さ、音量、音質、残響。完璧です。なんら我慢しないで打てるドライバーだと直感させられます。
弾道は棒球で、中弾道です。不必要にボールを打ち上げたり、そういう機能はありません。
もちろん、飛びます。トップレベルの飛距離でした。諸々の新機能がバリバリに飛距離に結びついています。
少し意外だったのは、やさしかったことです。
歴代の『M』ドライバーだと、『M2』みたいな感じだったのです。多少のミスヒットでは初速が落ちない感じがしました。
それでいて、適度に敏感なドライバーなのです。フェードも、ドローも打ち放題です。これは面白かったです。
基本的にはナチュナルなチューニングで、何も考えずに打てば、ストレートなボールになります。ただ、曲げようと意識すれば曲げられるのです。
やさしいのですけど、油断はできないドライバーが『M5』です。
イメージ通りのスイングができるゴルファーであれば、イメージ通りの弾道が出るドライバーです。
個人的には、シンプルな雰囲気のドライバーとして好感触でした。
ヘッドスピード40メートル/秒の僕にはややオーバースペックだと感じたのは、唯一、球の高さについてです。
もう少し浮力があるほうが使いやすいと思ったのですけど、これはヘッドスピードが速い人にとっては、吹き上がらない弾道を打てるプラスになります。
『M5』は、幅広いゴルファーが使えるように工夫されていますが、やはり、パワーのあるゴルファーが最大限に使えるようになっています。
使いこなせる満足感を得られるというドライバーは市場に少なくなってきていますが、『M5』ドライバーは、そういう意味でも王道を突っ走っています。
わかる人にはわかるドライバーが欲しい人に使ってもらいたいです。